TIPOFF!! #LOVE WINTER





「言わなきゃアイツには伝わんねぇーよ。いくら大事にしたって、大事に思ったって独りよがりなんだよ。」
「…うるせぇ…」

「誰かに盗られるからって急にもがいたってどうしょうもねぇだろ。」

「うるせぇ!!!」
胸に突き刺さる程の正論を次々に口にされてそれ以上何も聞きたくなくて、遮断するように大声をあげた。

「最後に言っとく。何もできなかった奴が逆恨みなんてだせぇことすんなよ。」
玄関から嵐を追い出すようにつまみ出し扉を閉めると、
「うっせぇバカ野郎ぉぉお!!クソ兄貴!!!」
ーーダンッ!!と足で玄関を蹴りあげ揺らし、去ってく。


「っとによー。アイツは。」
面倒くせぇ奴とため息ついて、部屋に上がる健に、
「…珍しいな。お前があんなこと嵐に言うなんて。」
「そうか?」
「そうだよ。お前がムキになる時は未茉のことだけだ。」
ため息つきながら、匠は玄関で靴を履く。

「たまには弟としてお前のフォローしてやるよ。」
ぽんっと健の肩を叩き、匠は嵐の元へと向かった。
パタン…と玄関がしまったその後で、


“誰かに盗られるからって急にもがいたってどうしょうもねぇだろ。”


「…自分に向けて吐いた言葉だったかもな。」



壁に寄りかかり、思わず口にした消えやしない行き場のない思いの独り言だった。