「しかし、改めてよかったね。匠さん本当に優しい。ちゃんと静香の頑張りを見てデートに誘ってくれたんだから。」
見る目あるね。と莉穂は改めて嬉しく思うのと同時に、
「だからと言って下着を買うのは早すぎじゃないかとは思うけど・・」
と、一応、苦笑いで付け足す。


(スタバで五千円も使った・・・。)
ガールズトークにはあまり耳には入らず苦いため息を嵐はついてると、
「あれ…!CMに出てる選手のほら…」
「あー!!ほんとだ高校生バスケの…」
隣のテーブルの女の子達が嵐を見てヒソヒソと話している。
(福岡じゃ当たり前すぎるけど、都会でもこういう反応だと嬉しいな。)

「女連れー?!わぁーさすがぁ」
「あの三人のうち誰が彼女かねぇ??」

(彼女……)
その響きに思わず口元が緩むと、
「未茉、付いてる。」
顔を寄せて口元のはちみつを指先ですっと拭くと、
「ん。」と気にせず頬張る彼女に
「甘めぇ」
指を舐めて彼女を見ながら、からかうように笑う紳士的なその態度に、
「わぁ♡あのこが彼女じゃない?」
「かわいー!お似合い!!」
隣のテーブルの女の子達の声に心の中では、
(よしっ!!)とニタニタが止まらない。