「ぬぁんだよぉ!!健!!相談乗ってくれよぉ!!」
わめく嵐を相手にせず無視すると、
ピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーン!!!
再び星河家には、連打のチャイムが鳴り響き、
「あ、お前の同士が来たぜ?」
「え?!」
インターフォンを覗きこむ。
「健!こっちにいると思った!」
玄関の扉を開けると、そこには部活帰りの未茉が立っていた。
「おう、週末だからな。」
「あのな今日家庭科でカップケーキ焼いたんだぜ!食べろ!うめえーから!」
「おう、サンキュー」
「未茉ぁっっ!!!」
嵐が玄関へとばたばたと足音を立ててやって来ると、
「あれ、嵐お前何してんの?」
「ぬぁああ・・・何してんのじゃねーだろ!?国体終わったらこっち戻ってくるったじゃねーか!!」
「ああ、そうだっけ??」
すっかり忘れてる未茉に、
「めちゃくちゃ脈ありだな?」
と、健が隣で笑いながらからかう。
「くぅぅぅ~…………」
舌打ちしながら込み上げてくる怒りで真っ赤になり、
「おいっ!!!俺には!?俺にはねぇのかよ!?カップのケーキはよぉ!?」
「ねぇよ。」←即答。
「ぬぁ・・・」
「だってお前来てるの知らなかったし。」
「電話で母ちゃんに伝えたし!!LINE入れたじゃねーか!?」
「わりぃすっかり忘れてた!っーか、来てんならバスケやろーぜ!右手だけど、相手になってやるから!!」
「ぷっ!あははははっ!!じゃ、俺はこれ食べるから二人でやってこい。」
「おい!!健!!!ずりーぞ!!!おいっ!!」
バタンッ!と笑いながら閉め出される嵐なのであった・・・。