「この一本、絶対に守る!!」

気合いの入った声を響かせた3Q残り2分、
(20点差ひっくり返してやるぜ。絶対。)
仲間からの熱いエナジーを感じ、それが自分の力となって沸いてくる。

「デートやで!!デート!!」
静香の脳内では匠との薔薇色の妄想が広がっていて、体を張って水越のタップシュートの邪魔をする。

「くっ…」
しまったブレたと水越が舌打ちするとこを見落とさず、ユリが高くジャンプして、リバウンドを取りに行くが、

パンッ…!!とその上をいくジャンプでエマがリバウンドを競り勝つ。
そしてその反動でユリが床に腰をつく。

「エリー!」
エマがパスを送ろうとするが、読んだ未茉が前を憚る。
「!」
速攻を狙えなくなったエマはドリブルをついてる間にみんなが戻ってくるのを待つ。

ーーバスケなら誰にも負けねぇ。

エマも未茉が今まで以上に集中してるのが分かった。
その視線を反らすと伊藤と水越が一気に体をぶつけ未茉にスイッチしてくる。

「!」
どんっ!!と未茉はわざと大袈裟に倒れファウルを貰った。

「おし。」
田島に起こされながら頷く。
(勝負しに来なかったな。)
立ち上がりながらエマを見た。

「エマちゃん大丈夫?」
「うん。」
ジャイコに声をかけられ静かにうなずいた。
(エマちゃん、ドライブで切り込むかと思ったけど…調子が出なかったのかな。まぁ、この点差なら勝てるから無理はしないのかしらね。)