「もぉ!!和希の手術どころじゃないわぁぁ!!パパに連絡するぅ!!パパにすぐ来てもらうからぁ!!」
わぁぁぁっと泣き崩れながら怒るママに、

「どころじゃないって・・・俺の手術・・・。」
ひきつりながら和希は病室を出る準備を促され、

「母ちゃんなに泣いてんだよ。みっともねぇーな。なぁー腹へったよ。売店行きたいから金。」
ミニバス帰りによった末っ子瑞希は、状況を全く読まず、金をせびり出す・・・。

「もぉ!!うるさいわねぇそれどころじゃないのよぉぉ!!」
ばっしぃーん!!と財布を顔面に投げつけられる。
「いってぇえ!!!なにすんだよ母ちゃん」

「し…白石さん、時間になりましたので和希君の付き添いお願いします。」
看護師にそう促されるも、
「無理ぃっ!!もう無理ぃ!!パパに電話しなきゃ」
「ママ!!パパにはあたしが連絡すっから、とりあえず和希についてやれよ!!!」
「もぉいいよ・・姉ちゃん、俺一人で」
我が母ながら呆れ果てる和希がそう言うも、

「すみません。兄弟がわりなので和希には俺がつきます。」
「まぁ、でも」
健に申し入れられ看護師も少し戸惑うも、

「神崎さん、いい機会だからちゃんと雅代さんと二人で話して。」
「ありがとう。健君」