「でも、なんか嬉しかった。」

そう改めて実感したように翔真は微笑んだ。


「今までは健さんがっていう理由で待つのは辛かったけど、今は俺が一番ってちゃんと分かったし、バスケは絶対応援したいってそれは思うんだ。」

普段はふんわりしてるのに、いざという時のそのしっかりとした筋の通った男気に二人は顔を見合せて納得したように頷き、

「まあ、他の男が理由じゃなくなっただけ大進歩だね。翔真。」
三上は冗談混じりに笑った。
「おお・・それ改めて聞くとなんか腹たつけどな・・。」
結城はひきつるも、

「まあ、翔真。いざっとなったら襲うのもありだ。我慢はよくない。なんなら今度とっておきのいいの貸してやるから」
ニヤつきながら肩に手を回すと、

「あ、そのとっておきは和希君に渡してよ。今日手術だって。」
「お、マジか。じゃ部活帰りに寄るかな。」


「とっておきってなんだよ!?またエロ本かよ?!」
急に三人の後ろから自分の持ち場の掃除を終わらせた未茉が現れると、
「「おわっ!!!びっくりしたなぁ!!お前っ・・」」
妙に驚く三人は振り返った。

「なんでもない。なんでもない。行こう未茉ちゃん。」
翔真は未茉の手を引っ張り、校舎へと戻ってく。

「なんだよお前ら」
ふて腐れる未茉を翔真があやすようにリードして歩いてく嬉しそうな横顔に、

「なんかめっちゃ幸せそうじゃん。あの二人・・・。」
ここ数週間のぎくしゃくが嘘のように拍子抜けする二人だが、

「ああ。結局付き合えない元サヤな・・・。」