二人が戻ってきたのはお昼前で、掃除の時間に体育館の裏庭では、三人が腰をかけて結城と三上はずっと気になっていた二人の経緯を翔真から聞いていた。

話が終わると少しの間無言で、口を開いたのは結城だった。


「あんだよなぁ~………。付き合うと思ってたのに!!」

もどかしさを越えてなんだかがっかりしたように頭をかきながら落胆した。


「…でも白石のこと、攻められねーな。なんか。」
「珍しく庇うね。」
付き合ってないと聞いた結城は、未茉にきっと今度こそブチギレに行くだろうと予想していた三上はその意外な納得ぶりに驚いた。

「いや、だって…アイツやっぱスゲー奴だなって。普段あんなんだけど、やっぱ俺より全然上の全国レベルにいんだなって。国体の試合見て思ったから。」

悔しいけど認めようとするその実力は、まざまざと見せつけられたらしく、

「翔真にはわりぃーけど、確かに恋愛にうつつ抜かしてたらもったいねーのかなっていうのも分かる…。」
なぜか申し訳なさそうに翔真を見る結城に軽く首を振った。