「東京に戻ってきて、ずっと好きだった女の子と学校見学会でまさか会えるとは思わなかった。」
(王子中の近辺の高校を見に行ったら、もしかしたら会えるかも。そんな淡い期待だった。)
「未茉ちゃんはそのまま王子に進学するだろうなって思ってたし。明徳にはいないと思ってたからーー会えた時は運命だと思った。」
「最初から言えやよかったのに。ずっと好きだったって。」
「負けたのカッコ悪いし、怖くない?追って来たのかと思われてもさ・・」
「追って来たんだろ?」
「そうだけど・・。」
「嬉しいに決まってんだろ!?だって来てくれたからこうしてあたし翔真のこと大好きになった!!」
ムキになり身をのりだして自分の肩を掴んで真剣に言ってくれる姿を見て、翔真はずっと秘めた気持ちがようやく実った気がした。
掴まれたその手を引き、未茉の顔を見つめると、それに答えるように見つめかえしてくる。
ゆっくり頬に手を当て、洋服の袖で未茉の頬についた土を払いながら、気になっていたたらればを訪ねた。
「もし俺が、明徳に来てなかったらどうなってたかな?」
「あたしは健と付き合ってたな。」
「・・・・!!」
はっきりと言われて傷つく。
(しかも名前で呼んでる・・・)
「健だったら少し待ってとか言わないかもな。両立ができるかも。」
「・・・・!!」
ますます傷つく。



