「あのさ、翔真。」
「ん?」
とりあえず一旦、話の続きを。と丘の上のベンチに並んで座るも、お互いの顔の汚さに思わず「クックッ」と堪えながら笑ってしまう。
「あんだよもうー!!せっかく真面目に話そうとしてんのによ!!」
翔真が笑うとこっちまでつられて笑ってしまい、「もう!」と肩をぶつける。
「分かったごめん。」
「ぷっ!!」
「自分だって笑ってるじゃん!」
「あはははっ!!」
「笑いすぎ」
とんっ!と今度は並べた肩に翔真がぶつけてくる。
「なんだよこらっ!」
未茉もぶつけかえすと、そこは翔真もぶつけ返してくるのできりがない。
「いい加減にしろし!」と、二人で顔見合せて笑った。
こんなくだらないやりとりが愛しくてたまらなくて胸がいっぱいになった。
「笑ってくれてありがと。」
翔真を見ていると素直に自然にそんな言葉が出てしまう。
「未茉ちゃんといると嬉しいだけだよ。本当に。」
そう返してくれることも未茉は、また本当に嬉しく思えた。
それと同じだけ、悲しくも思えた。
「…あたしは翔真のことずっとずっと傷つけてばっかりだよな。」
「…」
「信じられないかもしんないけど、あたしはお前のこと凄い大好きなんだよ。」
「ありがとう。信じてるよ。」
「散々待たせたし、散々いい加減な態度だったかもしれないけど、あたしはお前が一番好きって、お前と付き合いたいって決めてた。」
「…」
過去形か…と正直な反応で、顔を曇らせてしまうが、
「でもこのまま今のあたしで付き合いたくない。こんなあたしじゃ嫌だ…」
隣の未茉を見ると、ギュッと自分の手を握りしめながら涙を堪えるように唇を噛み締めて震えていた。



