「未茉ちゃん、さっきなんか言いかけなかった?」
「ん?さっき?あぁ。そうだ!!あ、今日は手術だから無理だったな。」
「え?」
「明日一緒に帰らねぇ?話がある。」
「…」
話とやらが昨日までの流れからして聞きたくない話だって翔真も分かってはいた。
でも彼女の話は聞かなくてはならない。が、返事をすることを躊躇った。
その様子を隣の結城も三上も聞いてないようで耳を傾けていた。
(付き合うといって結局あの日は警察に行ってそういう雰囲気でもなかっただろうし、前園さんのこともあったしな。しかも国体もあったし。)
進展はあったんだろうか。ともどかしい気持ちだった。
「文化祭の日、一緒に帰るって約束したのに帰れなかったよな。」
少し思い更けるように翔真の目を見つめると、
「…うん。」
それに答えるかのように頷いた。
「遅れちゃったけどよ、明日はちゃんと一緒に帰ろうぜ。」
「分かった。」
頷くと翔真は急に立ち上がり、未茉の手を引っ張った。
「明日は明日で一緒に帰るけど、話は今聞く。」
「は?!」
「俺、明日までとか待てない。」
「ちょっ…!!翔真!!?」
「お、なんだなんだぁ…ベストカップル早速二人で授業バックレかぁー!?」
みんなの口笛と冷やかしの声に囲まれながらも、翔真の手に引っ張られるまま教室を後にした。
「戻ってきたら、本当にベストカップルになってればいいけどな。」
そんな二人を尻目にため息混じりに三上はそう呟いた。



