「ふぃーっ!あっちぃー!!」
朝練が終わり、着替えて部室のドアを蹴りながら出てくると、
「あ。」
少し先の廊下で着替えを終えた翔真が待っていた。

「おはよ。」
「おはよ!あれお前、朝練来てたのか?!」
「来てたよ・・・。」
またさらに傷ついていると、

「よっ!お二人さぁーん♡ベストカップルー♡」
「朝から熱いねー♡♡」
二人で歩いていると、廊下ですれ違う先輩達や男子達に次々に声をかけられる。

「ベストカップル……」
未茉がポカーンとしながら、記憶の糸を辿ると、自分がしなきゃいけないことを思いだす。
「あ、そうだ翔真あのさ、」教室のドアを開いた途端、

「「ベストカップル受賞おめでとうございまぁぁあーーす!!!」」

ぱぁぁあんっっ!!とクラッカーの爆音と折り紙シャワーが待ち構えていたクラスの生徒達の手によって二人に振りかかる。
「ぬあっ・・・・・!?」
不意打ちすぎるサプライズのお祝いに未茉は後ろへと転びそうになる。

「白石さん、湊君、ベストカップル受賞の今のお気持ちは!?」
「あつぅーい湊君の告白を聞いたご感想は?!」
マイクに見立てられたスマホをクラスメート達に一斉に向けられると、

「ありがとうございます。嬉しいです。」

素直な翔真はにっこりと笑顔で微笑むと、
「「うぉぉおおー♡♡♡♡」」
とクラスのみんながその言葉に盛り上がり、未茉はずっこける・・・。