「あらぁ~未茉ちゃん♡誰と朝帰りかしら?」


家に一度帰ると最高のニヤニヤ顔でママに出迎えられる。


「普通の親なら高校生の娘が朝帰りしたら泣くか怒るんじゃねーのか?」
靴をぽいっ!と脱ぎ捨てて上がると、用意されていた朝御飯を頬張る。

「お相手は湊君?健君??」

「やっぱりママもその二択なんだな。」
「あったり前じゃなぁーい♡ママの本命よ!で、どっち??」
「健だよ。」
「あらぁーー♡♡ここにきてまさかの選択ね!ドラマが盛り上がってるぅー♡♡」
「何がドラマだ・・。」

「んっもぉ!!その様子だと何もなかったみたいねぇ~~もぉーつまんないわぁ!!未茉ちゃんってばぁ~」
「視聴率がた落ちで打ちきりかもな!」
あははっと笑ういつもと全く何も変わらない娘の様子に肩をがっくり落としている。


「なぁ和希の手術何時からー?」
「18時よ。二時間くらいで終わるわよ。」
「じゃ部活出てから向かうかな。」
「だめよ。未茉ちゃん今日腕の診察予約入ってるわよぉ~!」
「え~…めんどくせぇ!!バスケできねぇじゃん!!」
もう行く!!と口に入るだけいれて、早速朝練に向かう。

「あ、そうだった!嵐君から電話あったわよ~。今日決勝勝ち抜いて取材終えたらそのままこっち来るって!未茉ちゃんにもLINEしたけど返事ないって怒ってたわよ。」

「ああ、男子は愛知と福岡か。どっち勝つかな~」
玄関でパンを食べながら靴紐を結びながら考える。

「なんかぁ、話したいことあるから考えておけよ。って伝えてって言われたよ。」

「話したいことぉ?」
すっかり告白されたことも忘れてる未茉だった・・・。