マリと付き合う中でわかってきたことがあった。


マリは確かに1人の時間が長くても平気な性格をしていた。


誰かと群れになっていないと学校に来られないようなタイプではない。


だけど、特別視されることを嫌っているようだ。


「あたしだって同じ高校生なのに、なんでか浮いてるんだよねぇ」


ある日の放課後、一緒にクレープ屋に立ち寄ったときにマリはそう呟いた。


「それはマリが綺麗だからだよ」


あたしはイチゴクレープを口に運びながら答える。


マリはその答えに納得いかなさそうに眉間に眉を寄せて、バナナクレープをほおばった。


その一口が想像以上に大きくて、つい笑ってしまう。


おまけに鼻の頭にクリームがついてしまっているし。