「こんな……まさか……ごめんね美久……」


こんなことになるなんて誰にも予想はできなかった。


ダイヤルを回して壁から杭が出てくるなんてこと……。


「マ……リ……」


美久は最後まで笑顔を見せて、そして握られていた手は力なく離された。


ダラリと垂れ下がった手にマリがハッと大きく息を飲むのがわかった。


「美久、美久!」


美久の体にすがりつこうとするマリを、後ろから抱き締めて止めた。


美久の体からは何本もの杭が突き出しているのだ。


これ以上近づくとマリが危険だった。


「離してよ秀! なんで、なんでこんなことになったの!」


「離さない! お前のせいじゃないよマリ!」


「イヤアアアア!!」


マリの叫び声がB組の中にこだまし続けていた……。