座っていた美久の腹部から3本の杭が突き出していた。


先端は血でぬれて、なにかの臓器が絡まっている。


美久は自分の身になにが起こったのか理解できていない様子で、キョロキョロと周囲を見回している。


「嘘……」


マリが震える声で呟き、四つん這いになって美久へ近づいて行く。


それを止めることはできなかった。


「マ……リ?」


美久が口を開けるとそこから血があふれ出し、制服を濡らしていった。


「嘘でしょ、なんで!?」


マリが悲痛な叫び声を上げる。


「マ……リ……どうし……たの?」


美久が微かな笑顔を浮かべてマリへ手を伸ばす。


その手をマリは掴んだ。


しっかりと、確実に。


俺は雄大の手を握ることができなかったけれど、2人はしっかりとつなぎ合った。