俺は勉強することが好きだった。


中学時代はそうでもなかったけれど、高校に入学してから勉強する分野が広がり、自分にも興味のあるものが増えてきたことがきっかけだった。


特に、歴史の勉強は楽しかった。


昔の日本人がなにをしていたのか。


どんな偉人が、どんなことを成し遂げたのか。


それがあるから今の日本があるのだと思うと、どんどん知りたくなった。


世界史にしても同じだった。


世界的に有名な人を知れば知るほど、いろいろな偉人がいるのだとわかる。


しかし、その人生を調べてみると華々しいばかりではなかったり、ちょっと曲者だったりして、違う視点から偉人を見ることができた。


歴史を紐解けば紐解くほど、面白さが広がっていくようだった。


「また勉強してるのか?」


声をかけてきたんは響だった。


3年に上がってから同じクラスになった友人だ。