中学生や、高校生のお姉さんお兄さんはまだいい。


俺に優しくしてくれる。


でも、年齢が近くなるとそうも言っていられなくなる。


毎日が戦争だ。


少しでも気に入らないことがあると喧嘩になるし、今みたいに当番を押し付けられることもしょっちゅうだ。


もっと強くならないといけない。


もっともっと、大きな体にならないといけない。


そんな気持ちが徐々に強くなっていった。


「あら、光平君はずいぶん大きくなったのね」


人よりも沢山食べて、人よりも沢山運動することで俺は見る見る成長して言った。


母親代わりの養護施設の先生が目を見張るほどだ。


ここで生きていくためには負けていられない。


子ども心にそんな風にして育ってきた。


そんなことばかりしていたから、なかなか勉強には身が入らなかった。


沢山勉強をすればいい会社に入ることができる。


そう教えられても、俺にはよくわからなかった。


だって、今自分が生きている場所が弱肉強食だったから。