「なんで……なんで開かないの!?」


悲鳴を上げ、こみ上げてきた涙で視界は歪む。


自分の顔がグチャグチャになっているのもわかった。


「開けてよ! みんな死んじゃったのに、何で開かないの!?」


ガンガンと何度もドアを殴りつける。


蹴りつける。


それでもドアは開かない。


まるで、まだミッションは終わっていないとでもいうように……。


「頼む! 早く助けてくれ!」


「頼む! 早く助けてくれ!」


「頼む! 早く助けてくれ!」


繰り返されている響の声に、あたしは灰色の袋へと視線を向けたのだった。