光平の言うとおりだ。


ここまで辿りついたのは2人の犠牲があったからこそだった。


ここで簡単に響を開放できるとは思えなかった。


「そ、そうだね」


あたしは何度も頷き、教室内を見回した。


ピアノ線はすべて落下していて自由に歩き回ることができる。


けれど、鍵のありかはわからない。


「響、なにかヒントはないの?」


「頼む! 早く助けてくれ!」


どうやら響もなにも知らないみたいだ。


「自力で探すしかねぇみてぇだな」


光平の言葉にあたしは大きく頷いた。