「俺、そろそろ委員会に行かないといけないから」


響はそう言ってカバンを持ち、立ちあがる。


「俺を置いて行くのか」


「行くに決まってるだろ」


また、響は呆れた顔になる。


「秀も、遅くならない内に帰れよ」


そう言い、手を振って教室を出ていく。


俺は響の後ろ姿を見送って、ヨロヨロと立ちあがった。


特別難しい授業を受けたわけでもないのに、体中の糖分が不足したときみたいなダルさがある。


カバンを持ち、教室を出ると部室棟からは吹奏楽部の音が聞こえてくる。


廊下の窓から外を覗いてみると、グラウンドでは陸上部やサッカー部が汗を流しているのがわかった。


みんな青春を謳歌している。


では一体自分はなんなんだ?