俺はまだグッタリと机に突っ伏した。


「部活に出ないことにはモテないぞ?」


「わかってるよ。でもな、俺バスケ苦手だったんだ」


俺の言葉に響はため息を吐き出している。


俺だってバスケくらいそこそこできると思って入部した。


でも、入ってみてびっくりした。


この高校のバスケ部はほぼ全員が経験者で、全くの未経験者は俺と入れて2人しかいなかった。


回りが当たり前のようにこなしているメニューは、俺とそいつにとっては拷問以外の何物でもなかった。


なんだよ、ウォーミングアップで体育館50周って。


しかもみんなそれを涼しい顔でこなしていく。


俺とそいつが幽霊部員になったのは入部して翌日からのことだった。


時々部活の顧問とすれ違うことがあっても、なにも言ってこない。


きっと、こうなることは予測されていたんだと思う。


行きたくもない部活を強要されるよりはマシだけれど、その分暇になってしまい、今にいたる。