それを見ているだけで気分が悪くなっていく。


あの中に誰かがいることは確実だった。


「響か!?」


そう言ったのは凌だった。


あたしはその声にビクリとしてしまう。


「俺だ! ここだ! 助けてくれ!」


くぐもった声。


しかしそれは確かに響のもので間違いなかった。


あたしはハッと大きく息を飲む。


「よし、今助けてやるからな!」


光平が声を上げて歩き出す。


あたしはその後ろに続いた。


こんな教室の中、袋に入れられていたなんて、どれほど怖かっただろう。


響の気持ちを考えると胸が痛かった。


でも、これで生きている生徒は全員集まることになる。


そうすれば、外へ出られる!