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体中が痛くて、あたしは目を覚ました。


目を覚ますと同時に頭痛が襲ってきて寝転んだまま顔をしかめる。


周囲を見回してみると、ここがいつもの自分の部屋ではないことがわかった。


でもよく見たことのある景色だ。


冷たいクリーム色のリノリウムの床には、真ん中にオレンジ色の線がひかれている。


それは様々な人たちに踏まれ、すでに随分と剝がれ落ちている。


上半身を起こしてみると、右手が窓で左手には教室が並んでいるのがわかった。


3年E組という表記は毎日のように目にしている。


ここはあたしが通っている学校で間違いないみたいだ。


自分の格好を確認してみると、なぜか制服姿だった。


「なによこれ」


そう言ったのは同じくE組の生徒。


森谷梓(モリタニ アズサ)だった。


梓は金髪に近い髪の毛をクルクルに巻いた、いわゆるギャル系の生徒だ。


E組の中で一番目立つ存在だ。


近くにいたのは梓だけじゃない。


伊原マリや小野早紀といった、E組の生徒のほぼ全員がいるようだ。


あたしは瞬きをして彼らを見つめた。