そう思っていると、光平がずんずん歩きだしD組の前で立ち止まった。


ドアを開けるために手を伸ばしている。


「ちょっと光平!」


思わず声を上げていた。


あまり勝手な行動をしていると、それこそ梓のようになりかねない。


突然飛んできたボウガンにこめかみを撃ち抜かれた梓の姿を思い出し、一瞬吐き気がこみ上げてきた。


それをどうにか押し込めて光平の隣に立つ。


「開かねぇよ」


ドアを開けようとしているが、本当に開かないみたいだ。


その様子にホッと胸をなでおろす。


「入れるって言ってたはずなのにな」


隣りにやってきた凌が首を傾げている。


「とにかく、自分たちの指示されたA組に行こうよ」


こんなところで指示以外のことをして、死ぬのはまっぴらだ。


「そうだな」


凌は頷き、あたしたちはそれぞれの教室の前まで移動した。