E組からは一番離れているから、A組のプレートは闇の中に沈んでいるように見えて軽く身震いをした。


「長尾凌さん」


凌がピクリと眉をあげた。


しかし、なにも言わない。


「最後は本間光平さんです」


光平の名前を聞いた瞬間、心の中で大きくため息を吐き出してしまった。


こんな意味不明な状況の中、みんなをひっかきまわず光平と一緒に行動しなければならないのが気になるところだ。


名前を呼ばれた光平はさっそくA組へ移動しようとしている。


みんなとの協調性なんて少しも考えていないみたいだ。


「光平、まずは全員の名前が呼ばれるのを待とう」


凌にそう言われて、初めて気がついたみたいだ。


早紀はボロボロと涙を流し始めているし、この先が思いやられる。


そんなあたしの気持ちなどおかまいなしに、名前は呼ばれる。


「3年B組に入る4人を発表します。宮本美久さん、井原マリさん、山口雄大さん、奏秀さん。続けて3年C組に入る4人を発表します。大西優香さん、三好ミチルさん、赤木太一さん、近藤大祐さんの4人です」


そこまで発表されてあたしは首をかしげた。


たしか、さっきのアナウンスでは3年D組までが入れるようになっていると言っていなかったか?