カッコイイ……!


恋愛なんてまだまだ先の話だと思っていた。


実際に、あたしは3年になった今でも彼氏はいない。


だけど、あたしはこの時からずっと恋をしていた。


響に、恋をしてきたのだ。


今日告白をしよう。


明日告白をしようと思いながら、この3年間を過ごしてきた。


そして優香に背中を押され、卒業式の日には絶対に気持ちを伝えると決めていたんだ……。


それが、こんなことになるなんて。


あたしは自分の体の痙攣を抑えられなかった。


優香が堅命にあたしの名前を呼んでいる。


もういいよ優香。


ありがとう。


あたしは大丈夫だから、早く教室を出なきゃ。


そう言いたいのに、言葉も出てこない。


口からあふれ出してくるのは泡ばかり。


次第に意識は混濁しはじめて、優香の顔が歪んでくる。


教室も散乱した文房具も優香の顔も、なにもかもがいっしょくたに見え始める。


あぁ……結局響に告白できなかったな……。


そんなことをボンヤリと考えた後、あたしの意識はスッと消えた。