1年生のころ、あたしは真新しい制服を着て、高校生活への期待を胸に膨らませて校門をくぐった。


あたしは県外からこの高校を受験し、寮生活をしている。


最初は新しい友人ができるかどうか不安があったけれど、寮生同士はすぐに打ち解けて仲良くなることができた。


そのため、学校内にいても孤独を感じるような時間はなかった。


「ねぇミチル。好きな人できた?」


寮の一室。


眠る前の時間はいつでも楽しかった。


月明かりが差し込む2人部屋のベッドの上段と下段。


あたしは下のベッドにいる友人に「どうかなぁ?」と返事をした。


入学をしてまだ3日目だ。


どんな男の子がいるのかも把握できていない。