3階へやってきたあたしたちはまずE組へ向かった。


もちろん、ここが自分たちのクラスだからだ。


先頭を歩いていた凌がドアに手をかけ、次の瞬間顔をしかめた。


「くそっ鍵がかかってる」


考えてみれば当然のことだった。


今は夜中。


教室が施錠されていないほうがおかしいのだから。


「それなら、先に職員室に行った方が良かったのかな」


美久の言葉にあたしは左右に首を振った。


「職員室もきっと閉まってるよ」


冷静に考えれば自分たちに鍵を手に入れるすべはないのだ。


響が教室以外の場所にいればいいが、そうでなければ探すこともできないということだ。


「どうするんだよ!」


光平の苛立った声が廊下に響く。


どうすると言っても、教室以外の場所を探すしかなさそうだけど……。


そう考えた時だった。


ジジッと、あのノイズ音が聞こえてきたのだ。


誰かがハッと息を飲む音が聞こえてくる。