そのもしもの話は、今現実で、あたしの目の前で起こっている。


腕の中のミチルが細かく痙攣し始めたのだ。


あたしは強くミチルの体を抱きしめる。


まるで、そうすることで痙攣が止まるのではないかというように。


しかし、ミチルの痙攣は徐々に強さを増していく。


「ミチルしっかりして! ミチル!」


必死に呼びかけても、すでにミチルは返事をしなくなっていた。


全身がビクビクと震え、少し身を離してその様子を確認すると、口から泡があふれ出していた。


目の焦点は合わなくなり、ひたすら天井を見上げている。


「ミチルダメ! 死んじゃダメだからね!」


あたしはミチルの頬を叩く。


何度も何度も叩いて、正気を取り戻させようとする。


しかしミチルは戻ってこない。