「なんで、こんな……ひどい……」


大祐の壮絶な死にざまに体の震えが止まらなかった。


支えているミチルのことを思わず手放してしまいそうになる。


あたしは片手でミチルの体を抱きしめるようにして一歩踏み出した。


いつまでもこうしているわけにはいかないと、本能が伝えている。


足元には大祐の血と文房具の山が広がっている。


ツンとする鉄の匂いが鼻腔を刺激して、吐き気がこみ上げてくる。


できるだけ多周りをして、大祐の姿を見なくていいように教卓へ近づき、その場にミチルを座らせた。


とにかく、一刻も早くここから出たい。


そのためには響を助けなければいけない。


その思いだけで教卓の下を覗き込んだ。


「え……」


そこにあったのは、ただの空間だった。


なにもない中にポツンとテープレコーダーが置かれている。