トラップ教室

「お前大丈夫か?」


「うん、ありがとう」


太一はパッと顔を上げて笑ってみせたのだ。


さきまで散々イジメられていたくせに、なんでそんな風に笑えるのか俺にはわからなかった。


「どうしたの?」


俺が何も言わないのが不思議だったのか、首をかしげて聞いてきた。


「いや……その腕は?」


「大丈夫だよ。ほら!」


太一はひねられていた方の腕をブンブンと、大げさに振ってみせた。


その瞬間顔をしかめて「イテッ」と呟く。


「今までひねられてたんだから痛いに決まってんだろ」


俺は呆れて呟いた。


「あはは。でも本当に大丈夫だから」


太一はなおも笑顔だ。


「なぁ、どうしてそんなに笑えるんだ?」


俺は太一の汚れた制服に視線を向けて聞いた。


「え?」


「イジメだろ、今のは」