「おい、なにすんだよ!」


我に返ったようにすごんで見せるが、身長は俺の方が上だ。


力でも負ける気はしない。


「そいつは俺の友達だ」


短く言うと、俺は太一の腕をひねり上げている男の脇腹に拳を叩きこんだ。


「うぐっ!」


うめき声を上げて倒れ込む男。


ようやく解放された太一はすぐに『創作ノート』を抱きしめた。


「もっと殴られたいか?」


指をボキボキと鳴らして威嚇とすると、男3人はチッと舌打ちをして公園から逃げ去って行った。


強い相手に勝つ自信がないなら、はじめからイジメなんてしなけりゃいいのに。


ほんとくだらない奴らだ。


3人の姿が見えなくなるのを確認してから、俺は座りこんでいる太一へ視線を向けた。


ノートについた土埃を手で払い、大切そうに鞄にしまっている。