その公園は管理者がいないのか、草が生え放題で遊具なんかはボロボロに朽ちてしまっていた。


元々小さな公園だから、ここで遊ぶ子供たちはほとんどいなかったのだろう。


そのため管理も手薄になり、今みたいな現状になったようだ。


そんな公園の入口に立つと、4人の男子生徒の姿が見えた。


3人は隣町の高校の制服を着ている。


確か男子校で、結構派手なヤツが多いと噂の高校だ。


その中心にいるのは俺と同じ制服を着た男子生徒だ。


小柄で力も体力もなさそうなそいつを、3人が寄ってたかってちょっかいを出しているのがわかった。


もっとよく見てみると、同じ制服を着ているヤツはE組の太一だとわかった。


俺は盛大な溜息を吐きだして公園へ足を踏み入れた。


「お前の夢って小説家なんだってな? じゃあこの指、折ってやろうか?」


大柄な男子生徒が太一の腕をひねり上げ、指を掴んでニヤニヤと笑う。


「やめてくれ!」


太一はガッチリと固められてしまって、逃げることもできず青ざめている。


「なんだよこの『創作ノート』って。まさ小説のネタでも書いてあんのか?」


もう1人の男が太一の鞄をあさって青色のノートを取り出す。


「やめろよ! 汚い手でそれに触るな!!」


途端に太一が怒号を上げた。


その迫力にこっちまでひるんでしまいそうになる。