未だふらついているミチルの体を支え、大祐がつくってくれた道を歩いて教卓へと進んでいく。


「早く助けてくれ!」


思い出したように響の悲鳴が聞こえてきた。


あたしの腕の中でミチルが悲痛な表情を前方へ向ける。


「早く響を助けてあげて!」


自分だってつらそうなのに、大祐へ向けてそう叫んだ。


「わかってる」


大祐は頷き、一人で教卓へと足を進めた。


「響、大丈夫か?」


声をかけながら大祐が教卓の前に立った時だった。


カチッと微かな音が聞こえてきた。


それは大祐にも聞こえてきたようで、その場に立ち止まって周囲を確認している。


「どうしたの?」


聞くと、大祐はゆっくりと自分の足元へと視線を落とした。


その顔は徐々に青ざめていく。


一体どうしたんだろう?