3年生の教室が並ぶ廊下に集まってきたあたしたちは、スピーカーから流れてくる子供の声を聞いていた。


甲高く、それでいて歪んでいて、気味の悪い声。


ついさきほど昇降口で死んでいった梓の顔を思い出し、吐き気がこみ上げてくる。


「続けて3年C組に入る4人を発表します。大西優香さん、三好ミチルさん、赤木太一さん、近藤大祐さんの4人です」


自分の名前が呼ばれて吐き気は加速する。


それでも意識を強く持ち、あたしはC組のドアの前に立った。


A組とB組に4人ずつ入って行くのを確認して、あたしはC組のドアに手をかけた。


しかし、ドアはしっかりと施錠されているようで開かない。


「おい、どうしたんだよ優香」


後ろから太一に声をかけられてあたしは左右に首を振る。


「鍵がかかってるみたい」


代わりに大祐がドアを開けようとするが、結果は同じだった。


もうすでに教室内へ入ってしまっている2組を見てあたしたちは立ち往生だ。


「どうしよう、教室に入れないんじゃなにもできないよ」


不安そうな声を出すのはミチルだった。