「最初のアナウンスで、生き残り全員がそろえば外へ出られるって言ったよな? それって、響を探さないと出られないってことじゃないか?」


凌があたしと同じ考えを示す。


この広い学校内のどこかに響がいる。


スマホはないから、連絡を取る手段はない。


でも、これだけの人数がいるならきっと見つけることができるはずだ。


「とにかく響きを探してみよう。まずは自分たちの教室がある3階からだ」


凌の言葉にあたしは頷いた。


どうすればいいかわからない状況で、こうしてみんなをまとめてくれるのはありがたかった。


あたしは梓の遺体へ向けて手を合わせたのだった。