パトリツィア・ホテル

「咲……ちょっと気が早いかも知れないけど、受け取って欲しい」

勇人のどこまでも澄んだ瞳に吸い込まれそうになる。

そんな私の手を取って、薬指にそっとはめられた。

それは、思い出の……そう。

Story Makerの人魚から貰った、美しい指輪。

「いつか、俺がパトリツィアを正式に継承したら、ちゃんと大きいダイヤのをプレゼントするからさ……」

そう言ってはにかむ彼に、私は微笑んで首を横に振った。

「ううん。どんな大きなダイヤのよりも……どんな宝石が散りばめられたのよりも、ずっと綺麗。私、すっごく幸せ……」

そんな私の唇に、彼の温かい唇が重なって。


パトリツィアでの新しい物語が刻まれて……

私達のストーリーは、これからもずっと続いていくんだ。