愛恋のキス




「薬飲んだからマシになったから大丈夫」
「藍原ちゃんが良心で薬渡してくれたのに、なに邪魔してんだよ!」


 堀田くんは霧谷の腕を引っ張って立たせようとしてくれたけれど、霧谷は自ら少しも動こうとしない。


「汐音お待たせ。オレンジジュース買ってきた……ってあれ、汐音?」


 続いて沙良も戻ってきたようで、オレンジジュースを片手に堀田くんのすぐ隣にやってきた。

 けれど沙良は私の反応を見るなり、少し驚いた様子。


「あっ、ありがとう……」
「なに、二人の間で何かあった?」

「……へ!?いや別に何もなかったけど……」


 咄嗟に嘘をついたのは、先程のことを秘密にしておきたかったからだ。

 ふと霧谷がバラすのではないかと思ったけれど、特にバラそうといった感じではなかった。