愛恋のキス




「藍原ちゃんさ、俺がさっき何しようとしたかわかってるのか?なのにこんな人の心配するなんて……自業自得なのに」

「でも強く押さえつけた自覚はあるから……」


 本当に大丈夫だろうか。不安に思っていると、霧谷は少し驚いた様子で私を見つめてきた。


「霧谷……?」
「藍原ちゃんってさ、よくわかんないよな」

「え、そんなこと初めて言われたけど……」
「んーん、よくわかんねーな。だからもっと知りたいと思う」


 特に私を見下すような言い方でもなく、揺らがない瞳を向けられて反応に困ってしまう。


「そんなこと言われても……」

「あー!なんで瑞樹、藍原ちゃんの隣に座ってんだよ!?そもそも酔い覚ましに外出なくていいのかよ!?」


 返に困っていたからタイミングが良かった。複数人の男子の中に堀田くんも含まれていたようで、私の隣に座る霧谷にすかさずツッコミを入れていた。