「なるほどな。薬、余分に持ってたのか?」
一瞬ギクッとしたけれど、ここは別に気を遣わせる必要もないと思い、頷くことにした。
「そうじゃないと霧谷にあげるわけないでしょ」
「どうかなぁ、藍原ちゃん優しいから」
「何が言いたいの」
「実は俺、乗り物酔いしない人間なんだよな」
「……はい?」
さらっと。また霧谷はさらっと衝撃発言をした気がする。
「今なんて言いました?」
「乗り物酔いしないから酔い止め薬もいらないって話」
「い……意味わからない!酔わない体質なのに欲しいとか言って飲んだの!?バカなの!?明日の分をわざわざ霧谷に渡したのに……最低最悪!私に返せ!」
せっかく私が慈悲の心で渡したというのに、それを無駄にするなんて!
まさかここまでひどいとは思っておらず、霧谷を軽く突き飛ばしながらいつもの調子で叫んでしまう。



