「堀田くん、これ……」
「これって酔い止め薬?」
「そう。渡してあげて」
「お、おおっ……さんきゅ!ほら瑞樹、藍原ちゃんがくれたぞ」
おそらく私が渡したことはバレていただろうけれど、あえて名前は出さないでほしかった。
「へぇ〜、汐音って放っておけないタイプなんだね」
「……っ、人として常識だから!」
「素直じゃないなぁ。いい子いい子」
なぜか沙良に子供扱いされてしまう。きっと私が霧谷を嫌い嫌い言っておきながら酔い止め薬を渡したからだろう、それが意外だったようだ。
「それじゃあ今から休憩だ。一度しか取らないからトイレ行きたいやつは行っておくように」
しばらくバスが走ったところで、一度休憩としてサービスエリアに入り停められた。



