「なー、誰か酔い止め薬を持ってるやついねぇ?」
見かねた堀田くんが私たちに声をかけてきたが、私以外の3人とも首を横に振った。
どうしよう。実は私、酔い止め薬を持っているのだけれど……帰りの分しか持っていないため、ここで渡せば私の分がなくなってしまう。
けれど堀田くんが他に聞いて回ってもその時間がロスになるだろうし、効き目を出すためにも早く飲んだほうがいい。
霧谷に渡すのはどこか癪だったけれど、私も酔い止め薬を飲まないと乗り物酔いをしてしまう場合があり、その気持ちがわかる。
「……」
「汐音?」
私が突然鞄の中を探り始めたからだろう、沙良に不思議そうに見られてしまう。
ポーチを取り出して酔い止め薬を手に持ち、あえて堀田くんに渡すことにした。



