愛恋のキス




「絶対にあり得ないから!」
「やっぱり俺たち相性いいと思うんだよな」

「こっち来るな!」


 澪の発言を真に受けた霧谷が、上機嫌で私の肩に腕を回してきた。そろそろ人も増えてくる頃だろう、何とかして離れてもらわなければ。


「だから今度試してみるのもアリだろ?」
「な、にを……」

「体の相性、とか」
「……っ!?」


 澪には聞こえないよう、小さな声で私に話してきたけれど、ぶわっと顔が熱くなった私は力いっぱい霧谷を推して突き放した。

 その様子を見て澪が驚き、いったい何があったのかと私に聞いてきたけれど、答えられるはずがない。


 一方で霧谷は私の反応を見て満足そうに笑っている始末。


 最悪だ。本当に最悪最低。
 こんな形で私をからかい、反応を楽しむなんて最悪すぎる。

 まだ宿泊行事が始まってすらないというのに、嫌なスタートを切ることとなった。