愛恋のキス




「へぇ、あんたが一人暮らしね」

「あっ、もしかして藍原ちゃん、俺が家事できるのか怪しんでるだろ?」


 霧谷が家事をしているところなんて、正直想像できない。素直に頷けば、「ひどいな」と言われてしまう。


「そうだ、なら今度俺の家に来ればいいよ。証明してやるから」

「は?絶対に嫌」
「なんで?せっかくだし二人で仲良く……」

「澪、あっち行こう」
「待て待て、そんなガッツリ無視するやついるか?」


 一人だけ乗り気の霧谷を無視して澪と離れようと思ったけれど、澪は私を見るなり笑ってきた。


「二人とも、なんだか夫婦みたい」
「はっ……!?」

「なんて言うのかな、喧嘩するほど仲が良いっていうか、冷めた関係に見えて実は仲良しみたいな」


 何を言い出すのかと思えば、そんなこと……霧谷が嫌だとあれほど言っているのに夫婦みたいと言う澪もひどい。