愛恋のキス




「でも霧谷と付き合ったことのある女子は、あまり長く続かないって聞くなぁ」

「原因はその軽さでしょ」
「それが違うみたいなの」

「えっ、嘘だ」
「私も詳しくは知らないんだけど、彼女として見てくれないって」


 彼女として見てくれないって……それこそまさに尻軽発言ではないだろうか。

 まあ私には関係ない話だし、何だって別に良いのだけれど。



「あっ、藍原ちゃんだ」
「……げっ」


 学校に着くなり、霧谷の顔を見ることになるとは最悪だ。朝から気分がだだ下がりである。

 しかも懲りずに私に話しかけてくるのだから、本当にそのしつこさはすごい。


「今日は早いんだね」
「何、そのいつもは遅いみたいな言い方」


 かなり余裕を持って早く来たからだろう、集合場所にはまだあまり人はいなかった。

 それでも別にいつもギリギリに来ているわけではない。ただ学校に来るたび、霧谷がすでに来ているだけで……。