愛恋のキス




 確か名前は……堀田(ほった)くんだった気がする。ただチャラい霧谷とは違い、子犬のように人懐っこい笑みを浮かべている。

 野球部に所属しており、坊主頭で撫で心地がすごく良さそうだ。


「俺も藍原ちゃんと話してみたかったんだよな!」


 霧谷とは違い、裏のない純粋な笑顔がこれまた眩しい。例えるなら太陽のようだ。


健介(けんすけ)、あんま藍原ちゃんに絡まないほうがいいぞ」

「え、なんでだ?」
「今かなり機嫌悪いみたいだから」


 こいつ、わかっているのにわざわざ来たというのか。本当にタチの悪い男だ。

 私を苛立たせる天才である。


「なら今すぐ別の女子と組みなさいよ」
「んー、もう先生に言ってきたから無理だな」

「……は、今なんて」

「男女の組み合わせは希望した班以外、先生が適当に決めるって言ってただろ?だから言ってきた」


 待って、そんな話していたっけ。相当霧谷の発言をどう訂正するかで頭がいっぱいになっていたようだ。