愛恋のキス




「え、いいじゃん。瑞樹のペアと組もうよ」
「……え」


 けれどその希望は助けを求めた相手に打ち消されてしまう。

 先生が『とりあえず今日中に同性のペアを決めるように』と言われ、私は迷うことなく沙良の元へ向かって助けを求めたけれど、返答がこれだ。


「な、なんで!?向こうが一方的に決めてきただけで私は」

「知らない男子と組むより、知ってる男子のほうが良くない?」

「良くない!」


 なんとか説得を試みるけれど、沙良はなんだか乗り気にも見える。


「いいだろ藍原ちゃん、俺と一緒だと絶対楽しいって」
「……来たな」


 やっぱり来ると思っていた。
 私が沙良と話していると、霧谷がひょこっと現れたのである。

 彼の隣にはこれまたリーダー格のような男子が立っていた。