愛恋のキス




 だって相手の顔だけはすこぶるいいのだ。苛立って当然である。

 簡単に人の領域に踏み込んでくるし、手加減なんてものは知らないし。思い出せば出すほどイライラしてきた。


「男女の班って……」
「女子の中なら……」


 まだ先生の説明が終わっていない中、配られたプリントを見て騒ぎ出すクラスメイトたち。

 特に班決めに関してはみんな必死の様子。男女で組むということで、まるで合コンみたいだ……なんて、参加したことは一度もないのだけれど。


「ねぇねぇ瑞樹くん、あたしたちと一緒に組まない?」

「あっ、抜け駆けはズルい!私も霧谷くんと一緒にカレー作りたい!」


 まさかとは思ったけれど、やはり霧谷派の人間も存在するようで、一部の女子が彼を誘っていた。

 チャラい男のどこがいいんだろうと思ってしまったけれど、別に私には関係ない。