これは意外と良きクラスに恵まれたのかもしれない。勝手にリーダーの指示により、いじめのターゲットにされるかもと悩んでいたが、一瞬でその不安が吹き飛んだ。
「みんなひどいなぁ」
霧谷も落ち込んでいるフリはしているものの、どこか楽しんでいるようにも見える。
こうして見ると、改めて彼には友達が多いのだなと思った。それも男女関係なく、好感を持っている人が多いようだ。
「これが瑞樹の評価だから仕方ないんじゃない?春哉を見習いなよ」
「俺も優しくしているつもりなんだけどなぁ」
いや、どこがよ。
思わずツッコミそうになったけれど、グッと我慢する。まあ私が口にしなくても、周りが「本気で言ってるのか」と騒いでいたけれど。
高校2年になって2日目の朝。今日は少し気分の良いスタートだった。