「ね、藍原ちゃん。こいつデリカシーないでしょ」
「……えっ」
それも霧谷ではなく、沙良と呼ばれた女子に。
びっくりして、最初は名前を呼ばれたこと自体信じられなかったけれど、彼女はニコニコと明るい笑顔を浮かべた。
「あっ、ごめんね。自己紹介すらまだだったね。私は戸崎 沙良。沙良って呼んでくれていいよ。いやぁ藍原ちゃんの存在は前々から知っていたけど、まさかここまで霧谷を嫌ってるとは思わなかったな」
「え、あの……」
突然始まった自己紹介にマシンガンのようなトークスピードについていけない。
ただ悪い人ではなさそうだなと思った。リーダー格の人たちは勝手に悪いイメージを抱いてしまいがちだかれど、そうでもないらしい。
霧谷はまあ別として、西山くんも優しい人だったし、仲のいい澪だって美人で、最初は勝手にリーダー格の部類に入るような人で怖そうだと思っていた。



